2005年05月13日

どっちもどっちでしょ

渡邊恒雄、人呼んで「ナベツネ」。
讀賣巨人軍の前オーナーであり、讀賣新聞グループ本社の会長である。
(ついでに言えば、讀賣新聞の主筆でもある)

そのナベツネ氏が、自宅でガウン姿でいるところを写真に撮られ、
それが週刊文春に「ワンマンの末路」というタイトルと共に掲載された。
怒ったナベツネ氏は、週刊文春などを相手取り、
1000万円の損害賠償と該当する写真を二度と掲載しないことを求める
民事裁判を起こした
という。

で、彼はその裁判に出廷し、
「読売グループ最高の地位にある自分が、
なぜ『ワンマンの末路』と書かれるのか」
と毒づいてみたり、
「もうろうとした姿を掲載され、非常に腹立たしい。
私生活の秘密を侵される恐怖を感じた
などと怒って挙げ句に、
「文芸春秋には敬意を表しているが、
週刊文春は関東軍のごとき異質な存在ではないかと思う」
などとまで言い切ったそうである。

会長・主筆からしてこのような意気軒昂な会社だけに、
このような記者も存在するのであろう。
トップが社風を作るというのは本当のことらしい。

ちなみに、この件を週刊新潮に書かれた讀賣新聞は、
お詫びの文章を掲載したその下(本日付紙面)に、
新潮の記事に抗議したなどと書いていた。

更に、今日の社説では、自分のところからも盗用されたという
TBSのWebサイト上にあるコラムについて書いていた。

だが、今の讀賣にそんなことを言えるのだろうか。

正直言って、近年のマスコミはおかしい。
文春にしても、TBSにしても、そして讀賣にしても、
何かがズレているというか、変だ。
ひとまず、TBSのコラム盗用問題は、書いた人間の問題であり、
本稿の趣旨とは乖離しているので、ここでは触れないが、
読売記者の会見での問題について言えば、
記者が「知る権利」を代理行使できるという立場にあるのをいいことに
余計な功名心を起こしてしまったがために、
件の過剰な態度に出てしまったものと思われる。
以前、知る権利について書いた時にも触れたことだが、
誰も居並ぶ記者やレポーターらに、
事故の当事者を糾弾してくれとは頼んでいない。
そんなことに「知る権利」を浪費せよとは、誰も言っていない。
そのような不要な方向にばかり知る権利を浪費するのなら、
そんなメディアなど必要ないのである。

文春が載せたナベツネのガウン姿だって同じことで、
矍鑠としている爺さんのガウン姿を公にすることが、
果たして「知る権利」の範囲で許されることなのか?
誰も、そんな爺さんのガウン姿を見せてくれと週刊文春に頼んでなどいない。
世間のニーズなど、ああいう雑誌にはどうでも良いことであって、
とどのつまり、売れればそれでいいわけで、
だからこそ、ああいう意味のない写真を撮り、
それをくだらないタイトルやキャプションをつけて掲載する
という結論に達するのだろう。

たまたま讀賣や文春を俎上に乗せたが、
同じことはどこの新聞やテレビ、あるいは雑誌でもあると思う。
ただ、それが極度に目立たないだけの話だろう。

だが、いつまでもそんなことをやっていては、
「知る権利」を国民から負託されなくなることだって
十分にあり得る話だ。
そんな状況下で、マスコミは傲っていてはいけない。

でも、しばらくすればそんなことなんて、
とっとと忘れてしまうのだろうけれども。
posted by KAZZ at 20:26 | 島根 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 国内事件・社会
この記事へのコメント
はじめまして、いつも楽しく読んでおります。http://kiyotani.at.webry.info/
に件の読売記者について載っておりますが、自らはリスクを負わず、他人のことばかり理想論で追求するマスコミに果たして未来はあるのでしょうか?そして、その未来はこの国の未来にも少なからぬ影響を及ぼすし…何だか気持ちが暗くなりますが、まぁ明日からも頑張りましょう!(意味不明でスミマセン)
Posted by わんすけ at 2005年05月15日 00:40
>わんすけ様

こちらこそ初めまして。

マスコミのこういう行状は今に始まったことでもないのですが、
それにしても、相変わらず進歩がない様子を見るにつけ
こういう輩に国民の知る権利を行使することを負託していいのか
考えてしまいますね。
Posted by KAZZ at 2005年05月15日 12:26
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