2005年08月08日

個人の野望を無理矢理通そうなどと思うからいけなかった

参議院本会議で郵政民営化法案(付帯法案も含む)が否決され、
この結果、小泉純一郎首相はかねてよりの公言通りに
衆議院解散を閣議決定し、19時04分、河野洋平衆院議長が
衆議院本会議で解散詔書を読み上げたことで、解散が確定した。
これに伴う衆議院選挙は8月30日公示9月11日投票となるようだ。

毎日新聞記事 / 産経新聞記事

まあ、正直なところ、予想通りの結果であった。
いくら総理大臣の職にあろうとも、一政治家に代わりのない人物の野望
あのような形でごり押しすれば、必然的にこうなってしまうだけ
だ。
小泉が郵政民営化法案を確実に成立させようと思うなら、
強行突破にばかり依拠するのではなく、中間派や消極的反対派を
うまく抱き込んでいく寝技も必要だった
のではないか。
しかし、現実にそうした寝技が行われたようなフシはなく、
節目節目に強行突破を図り、足元の自民党を固めることができず、
こういう結果になってしまった


また、これが何故率先して取り組むべき喫緊の課題なのか
郵政三事業を早急に民営化することで
如何なるメリット・デメリットがあり、
そのうちデメリットは国民にとってどの程度まで受容し得るもので、
またメリットでどの程度カバーできるものなのか

という明確な説明がほとんどなされなかった
小泉はそれが自由民主党の公約なのだからと言うのだが、
それならば尚更、説明責任が求められるのではないか。
自由民主党の選挙公約というものは
そんなに軽々しく弄んでもいいようなものなのか

いずれにしても、このような軽佻浮薄な政治手法が
こうした事態を招いた
ことは否定できない。

但し、全てを小泉のせいにするのもどうかとは思う。

まず、野党。
特に民主党と社会民主党の罪は重い
彼らは衆議院での委員会審議の序盤戦を
彼らなりの高等戦術である審議拒否という大義名分で欠席
し、
内容のない審議に結果として拍車をかけてしまった
彼らが審議に復帰した時、お座なりな審議は既に進み、
後付けの文句をさんざっぱら言いタレたとしても、
それはただの引かれ者の小唄でしかなかった。
なのに、審議拒否などという愚挙に出た自分たちの責任を棚に上げて
彼らは小泉憎しみたいなことしか言わないできた
たとえ数日でも審議の場を離れたような連中に
郵政民営化法案で文句を言う筋合いなどありはしない

彼らが郵政民営化法案に文句を言いたければ、
最初から最後まで正々堂々と審議に応じ、
審議の場で論を闘わせなければならなかった

それをしなかった彼らに、郵政民営化を云々する権利はない

次に、自由民主党の反対派。
彼らの大部分は結局のところ、反小泉の大義名分の下に
集結しただけの存在
でしかなく、
一部の族議員を別にすれば、実は郵政民営化など
どうでも良かった
のではないかと推測できる。

実際、衆参両院の郵政民営化法案の採決において
反対票を投じたり欠席・棄権した議員の中には、
小泉首相の姿勢が納得できない」という
明らかに郵政民営化法案そのものの可否とは
違う
理由
を持ち出す議員が何人かいた。
彼らが法案そのものの是非に言及しなかったということは、
法案がキチンと説明されてさえいれば、
この手の議員が賛成に回る可能性もあった
ということになる。

だが、結局この手の議員連中は反対したり、
欠席あるいは棄権という手段に出た

投票により反対の意思表示をした連中は、まあいいだろう。
彼らには彼らの信条というものがあるのだし、
それをあのような形で表明することは立派なことだ。

問題は票を投じることなく議場を逃げた連中だ。
こういう連中に郵政民営化がどうのこうのと言い募る資格は
一切ない
ものと思ってもらいたい。
連中はこのような重い決断の場から逃げ出し、
彼らに国政の負託をした有権者を裏切る行為に出た
のと同じなのだ。

更にマスコミの罪も重い
あれだけ国会の混乱を面白がっておきながら
いざ採決が近づくと、どの新聞も測ったようにほぼ同一の論調で
法案に賛成せよなどと言い出す
無責任さ。
メディア、ことに新聞はいつから雁首揃えて
小泉のお先棒担ぎをするようになったのか

首相のメッセンジャーになるしか能がないのなら、
彼らはマスコミュニケーションの世界から足を洗うべき


そして、我々国民の罪も重い
郵政民営化に対して、あまりにも無関心が過ぎた。
改革」だの「革命」だのというフレーズに
我々は過大な期待を抱きすぎるきらいがある。
実際はそれほどまで大きな話ではなかったりするのだが、
何故かドラスティックに何もかもが変化を遂げて
今白いものが赤くなったり青くなったりするかの如き
過大な期待や幻想
を抱きたくなってしまう。
それを可能にするのは、政治家の特異なパフォーマンスであり、
それを増幅するマスコミの存在だったりする。
いずれにせよ、そうして沸き起こった過大な期待
我々国民は小泉以下全ての政治家に押しつけた
結果、国会は意味不明な混乱に陥り、
衆議院は無意味な解散をすることになった


強いて言うなら、あのようなパフォーマーを
総理大臣に選ぶような土壌を作ったり

その状態をそれ以後の国政選挙などで放置するような真似をした
我々国民にも責任の一端はある

いずれにせよ、選挙はある。
どうやら相当に荒れ模様が予想されそうではあるが、
ただのパフォーマンスの闘いだけなら必要ない
もう、そんな政治にはおさらばしなければいけない
posted by KAZZ at 20:27 | 島根 ☀ | Comment(6) | TrackBack(2) | 国内政治(内閣・政府)
この記事へのコメント
小泉首相は説明不足だったと思いますが、同義的にはまったく問題がないはずです。なぜなら、小泉首相は郵政民営化を公約に掲げて前回の選挙を戦ったからです。したがってそれに従う意思のないものは最初から自民党の公認を受けるべきではなかったのです。
Posted by 蔵信芳樹 at 2005年08月09日 03:29
頼むから、民主党政権だけ早めてほしい。
中共都、朝鮮民族の属国になりさがる。
Posted by hide at 2005年08月09日 12:25
蔵信芳樹様

公約の提示そのものには確かに道義的に問題はありません。
しかし、その後、その公約たる郵政民営化法案を政府が提出しようとした時、
それを事実上認めなかったのは何処のどの党なのかと。

ちなみに国会答弁で「公約違反は大したことではない」てなことを
首相御自身が仰ったはずですが。
頭がこれでは配下の態度など知れたものですよ。

hide様

現在の民主党は自分たちの得点ではなく、
あくまでも相手の失点頼みでしか動けないのですから、
そこに政治的な実行力は皆無だと言ってもいいでしょう。
そんな彼らが政権を取るなんてことは、私には考えられません。
Posted by KAZZ at 2005年08月09日 19:07
法案の是非についてはとりあえずここでは語らないとして・・(私自身は賛成派なんですが)

反対した議員に行動について論じるなら、元々小泉首相を首相に担いだ動機から考えても、道義にもとる気はしますよね。そんなに嫌なら静香タンでも応援しておけ、と思ったり。
あと、郵政なんて国政全体から見たら一部のことで、もっと重要な審議があるのを今まで小泉首相に妥協していたのに、ここでこれほど抵抗する意味がわかりませんね。元々反対の意思のあった反対派の行動は、まだ理解できるのですが・・・日和で造反した人、棄権した人、恥を知るなら辞職しろ、と言いたい。
社民・民主の審議拒否組みなんて、今度の選挙は欠席して欲しいくらいですね。それでいて「まだ議論不十分」なんて展開しようものなら、選挙カーに石投げつけてやれ、という気分にもなります(実際にはやりませんが)
Posted by 佐倉純 at 2005年08月10日 01:24
佐倉純様

私のスタンスは基本的に反対で。
郵便事業に関しては、現行の公社で十分じゃないかと思ってます。
金融・保険サービスに関しては民営化もありかなとは思いますが。
ただ、何にせよ緊急性を要することではないなと。

>元々小泉首相を首相に担いだ動機から考えても、道義にもとる気はしますよね。

所詮は自由民主党内の権力闘争なのであって、
そこに彼らが最も考慮すべき「国民」や「国家」という要素はありません。
これまで自由民主党が定形として大事にしてきた「派閥」の悪弊が
もろに出てしまった、とも言えますね。

>郵政なんて国政全体から見たら一部のことで、
>もっと重要な審議があるのを今まで小泉首相に妥協していたのに、
>ここでこれほど抵抗する意味がわかりませんね。

というより、小泉の昔からの宿願なわけですよね。郵政民営化ってのは。
あの人、ずっと以前からそれを口にしてきていて、
自分が自民党の親玉になったのを機に、本格的にこれを推し進めようと。

それをわかっておきながら総理総裁に担いでおいて、
なおかつ今になって政治手法が嫌だから反対なり棄権なりというのは
ある種、子供じみた論理かな、と。
恐らくそういう連中に限って「自民党を愛している」だの、
「真の自民党」だの言うんだと思いますよ。

>日和で造反した人、棄権した人、恥を知るなら辞職しろ、と言いたい。

野田聖子のダンナ(鶴保庸介衆院議員)なんか、
その点、立派ですよね。夫婦不一致覚悟で賛成してますし。
あの夫婦の今後が心配になりますが(笑)

>社民・民主の審議拒否組

この人たちは、これまでもそうでしたが、
明確な国会戦略なり選挙戦略があるわけでもなく
ただ明らかな敵失にしか活路を見出せないわけで、
その時点で既にダメダメだと思いますよ。
というわけで、民主党が政権奪取だの言ってるのを見ると、
「んなわけねえだろ」とツッコミを入れたくなります。
Posted by KAZZ at 2005年08月10日 02:02
私のコメントから1点ほど訂正を。

>鶴保庸介衆院議員

この人は参議院議員ですね。
大変失礼しました。
Posted by KAZZ at 2005年08月10日 19:46
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Excerpt: さっき嫁さんの人に「平山夢明著 「超」怖ドキミオン 日々狂々、怪談日和」という本に面白い話があるよ〜というのを聞いたので、読んでいたら、投票率UPのために「選挙TOTO」実施という話があった。うーん。..
Weblog: 桜日和
Tracked: 2005-08-10 01:00

小泉さん、「一言政治」は止めませんか
Excerpt: 前回の記事で予測した民営化法案否決??解散??総選挙は、その通りになりました。解散
Weblog: HOME★9(ほめく)
Tracked: 2005-08-10 08:19
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