2005年09月11日

テレビサイズの政治が始まる

ま、とりあえず選挙速報のページへのリンクでも貼っておく。

<放送メディア>
NHK
NNN(日本テレビ放送網)
JNN(TBS東京放送)
FNN(フジテレビジョンネットワーク)
ANN(テレビ朝日)
TXN(テレビ東京)
<新聞・通信社>
讀賣新聞社
毎日新聞社
朝日新聞社
産経新聞社
共同通信社

(注)フジテレビだけは開票速報ページが見当たらないので、選挙特番ページをリンク。

どうやら、自由民主党が圧勝する勢いらしい。
逆に民主党は改選前議席を割り込むことが確実らしく、
岡田克也代表の責任問題も厳しく問われそうだ
まあ、単独で過半数が取れなければ代表を退くと宣言していたのだし、
当然、放っておいても代表を降りるとは思うけれども。

と、型通りの話はここまでにして、私の雑感をつらつらと書いていこう。

正直言って、自由民主党が勝っちゃうだろうなと思ってはいた
地滑り的大勝までするだろうとは思ってなかったけれども、
とにかく勝つだろうとは思っていた

但し、私にはどうしてもわからない点がある。
それは、この自由民主党への支持が積極的になされたものなのか
あるいは消極的になされたものなのか、ということだ。
どういうことなのか。

まず、両方に共通する前提となる問題は、民主党のやり方だ
政権担当に意欲を示す政党であることをアピールしたわりに、
彼らは郵政審議などで審議拒否という古めかしい国会戦術を使い、
小泉自民党に対してろくな対案すら出せなかった

この時点で負けはほぼ確定的だった。
あとからやっと郵政問題を口にし始めたものの、
その時は既に遅く民主党は初っ端から乗り遅れてしまい、
その遅れを最後の最後まで取り戻せなかった

これはもう、岡田執行部の責任であることは言うまでもないが、
かといって、たぶん他の誰が党代表をやったとしても
似たようなことにしかならなかった
と考えられ、
結局は政権担当能力が足りないことを露呈するしかなかった

こういうことを踏まえた上で、もし前者であったなら、
単純に民主党のだらしなさだけを論っておけば済む
のだが、
もしも後者、つまり消極的支持の積み重ねとしての
自由民主党圧勝だったら
と考えた場合、話は少々ややこしくなる。

つまり、民主党が政権担当能力を有しないのはいいとして、
自由民主党(+公明党)でも本当は嫌だけれども、
他に適宜な政党もないので仕方なく票を入れた

というような場合である。

こういう場合、自由民主党は圧勝劇をただ単純には喜べまい
今回はたまたま支持してくれたが、次も支持をつなぎ止められる
というような保証は何処にも存在しない
からだ。

そうなってくると、自由民主党はいよいよ以て
ポピュリズム路線をひた走るしかなくなってしまう
だろう。
つまり人気と支持を維持するための大衆迎合路線
ひたすら邁進するしかなくなる
というわけだ。
そういうことになった場合、大衆への人気取りしかできないことが
逆に自由民主党の命取りになってしまう
可能性も十分にある。

故に、結果の根拠となる自由民主党への支持の動向如何によっては
今後の政治運営の在り方に重大な影響を与える
可能性がある。
そのことを、小泉以下郎党は果たして本当にわかっているのか
恐らくわかってなどいないだろう
郵政、郵政と生鮮食料品売り場のエンドレステープみたいに
繰り返し連呼した結果、選挙に勝ってしまった
のだ。
そんなことにまで思慮が及ぶなどとは考えにくい。

この選挙をこういった結果にしてしまった重大な要素の一つに、
私はマスメディア、特にテレビの影響力を挙げたい
選挙期間中のテレビ、ことにワイドショーは
連日の如く選挙関連の話題を報じていたという。

と言っても、真面目に公約や政策を分析したりしていたわけではない
芸能報道(こんなものに「報道」という呼称はつけたくないが)よろしく
注目の、言い換えればテレビ受けするような選挙区や
そこに立候補する特定の候補者
を連日追いかけては、
面白おかしく報じ、いや、宣伝部隊を買って出て
彼らの名前や動向をひたすらアピールすることしかしなかった

げに恐ろしきはテレビの刷り込みである
連日このようなくだらない報道合戦(とも呼べないようなもの)が
さんざん繰り広げられた結果、自由民主党とそれに対抗する人だけが
変な形でアピールされる
こととなり、それらは視聴者の中に
形はどうあれインプットされてしまう
結果となった。
不偏不党の精神」などと普段は言っているらしいメディアが、
特定の政党や候補者を面白おかしく報じるこの姿勢は、
明らかに行きすぎであり、それを以てメディアは堕落していると
結論づけても良い
と私は思っている。

これを踏まえて考えると、自由民主党は決して政策が浸透したから
大勝できたのではなく、実はマスコミによる勝手連的な広報
かなり助けてもらった
という見方もできる。
彼ら自身の実力がそういう結果をもたらしたわけでは、
どうやらなさそうだということ
を覚えておく必要はある。

また、公明党だって決して褒められたものではない
ひたすら自由民主党にヨイショを重ねた挙げ句、
使い回しの何の面白味もないダジャレを使ってCM制作するという
手抜きでも選挙に勝てるなどと思い込む、あの思い上がりぶり。
あれこそ、まさに国民を愚弄した態度ではないか。

一番割を食ったのは民主党であろう。
何せ、代表からしてマスコミ受けなど到底期待できない御仁だ。
小泉のように当意即妙(あくまで他の代表クラスに比べてだが)
物言いもできなければ、テレビ受けする表情もできない

鉄面皮とは岡田代表のためにあるような言葉といって良かろう。
あれでマスコミにアピールできるなどと思う方が間違っている
なぜ、以前の代表選挙でもっとマスコミ受けするような御仁を
代表に担ぎ出せなかったのか
、不思議でならない。
メディアなど取るに足らないとでも思っていたのだろうか
このような事例に代表されるように、とにかく民主党は無策に過ぎた

民主党がこのような体たらくであるのだから、
他の野党など推して知るべしというものである。

日本共産党や社会民主党など、もはや論じる価値すらないし、
選挙前に駆け込みで設立された国民新党、日本、大地などは
1つでも議席が取れれば御の字という程度でしかない。

ともかく、この結果が確実に示すものはと言えば、
これから始まる政治は明らかにテレビサイズに矮小化され
仰々しく毒々しいテロップやナレーションと共に、
予想された(時にはそれ以下の)展開しか提示できないような
子供じみた政治にしかなり得ないだろう
、ということだ。

そして、それを選んだのは他ならぬ有権者、
特に自由民主党(系や、公明党)の候補に票を投じた人々であり、
それは間違いなく彼らが望んだスタイルであって、
そうなった責任も彼らが政治家と同じように等しく分担する必要が
ある
ということを忘れてもらっては困る
選挙に行って票を投じるというのは、それぐらい重い意味を持つことだ。
政治家があとは何でもしてくれる、という無責任な態度では
結局、あとになって有権者自身が困ることになる

一億総白痴化とは、大宅壮一の名言だが、
もはやテレビだけなく政治すらもそうなってしまったのかもしれない。
嫌な世の中になったと思う。
posted by KAZZ at 22:13 | 島根 ☁ | Comment(3) | TrackBack(0) | 国内政治(選挙)
この記事へのコメント
私はもうちょっと前向きに、ネットで情報収集を怠らずに投票する層が増える!と思いたいです。あくまで希望的観測です。。。
まだ国民全体の割合でみたら、結局小泉首相のパフォーマンスに踊らされているということですかね。良い傾向だとは私も思いませんが。しかし過去社会党政権が出来てしまったような愚を犯さずに済んだのは、良かったと思います。
政策を論じた上での、真っ当な意味での選挙は、まだまだ先なのかも知れませんね。

ちなみに私は今回は打倒辻元という感じで消極的自民支持でしたw
これほど空しい候補の選び方をしないといけない選挙もそうそうないって感じでした。
Posted by 佐倉純@桜日和 at 2005年09月12日 01:10
>過去社会党政権が出来てしまったような愚を犯さずに済んだのは、良かったと思います。

と書きましたが、今度の自民政権がそういう愚を犯さないという保障はないですね。
これからの政権の舵取りをよく注目しないと、であります。
Posted by 佐倉純@桜日和 at 2005年09月12日 01:13
郵政踊りに誰も彼も乗せられた、という印象は否めません。
テレポリティクスもここに極まれりって感じです。

情報を自分で収集してという人は、一朝一夕には増えないですよ。
現実にあれだけの人が「小泉劇場」というパフォーマンス先行の政治形態を
迷うことなく選んでしまったわけですから。
Posted by KAZZ at 2005年09月12日 07:25
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