2005年09月15日

饒舌から出るボロ

新党日本が結果的に政党として存続できることになったためなのか、
長野県知事にして代表の田中康夫は饒舌であった。

知事会見(部長会議、衆院選について)(2005年9月13日)

喉が嗄れているとか何とか言いつつ、冒頭からよく喋ること。
まあ、それはいいとしよう。
問題は、その中の質疑の最初の部分だ。
会見録から少し引用してみる。

<引用開始>

信濃毎日新聞 宮坂重幸 氏
 昨日、きのうですね長谷川憲正さんが新党日本を離党して国民新党に戻られましたが、
(中略)
党首としてこの動きにはどう関与されたのか、あるいはどう判断されるのかお伺いしたいんですけれども。


信州・長野県知事 田中康夫
 それは長谷川憲正さんも一人の議員であるし、それぞれ、やはり今回もですね、総選挙に至ったものもですね、党議拘束というようなものが小選挙区も導入されたりあるいはそれぞれ議員の個人の名前を書いた投票者によって選ばれてるという中において、党議拘束というようなものは個人に立脚していく政治の中で齟齬をきたしているということがひとつの今回の根底にあったのではないかという気はいたします。これはあくまでも長谷川憲正氏の考えに基づくものであります。
(中略)
いずれにしても長谷川氏に関しては長谷川氏のお考えに基づくものであります。


<引用ここまで。なお、質問及び答弁中の太字部分は引用者による>

例の長谷川憲正参議院議員の一時的な党籍移転問題に関して
信濃毎日新聞の記者氏が質問したところ、田中は
長谷川議員が判断してやったことで自分は与り知らない
というスタンスだということを述べた。

それにしても、妙な話だとは思わないか。
選挙を前にした公党間で議員の貸し借りなどという事態そのものが
既にその行為の持つ性格を疑問視される話
であり、
一議員の思惑などという問題では済まない話なのに、
なぜこうも簡単に「長谷川憲正氏の考えに基づくもの」と、
まるで他人事のように説明できてしまうのだろうか。
それが仮にも公党の代表者としての態度と言えるのか

また、次のようなやりとりもあった。
再び会見録から引用する。

<引用開始>

長野放送 嶌田哲也 氏
 こちらの議会ももうじき始まる訳なんですが、その会期中はですね、兼務どういった形になるんでしょうか。先程おっしゃられたような電話やファックスや・・・


信州・長野県知事 田中康夫
 それはだってあのまだこれからどのようになっていくかわからないんじゃないでしょうか。


<引用ここまで。なお、答弁中の太字部分は引用者による>

兼務の一方である長野県知事としての仕事のやり方を訊かれて
どうなるかわからないなどと言っている御仁が、
よく長野県知事と新党日本の代表職を引き続き兼務するなどと言える
ものだ。
新党日本の代表職にしたって、「リナックス運動」などという造語を用いて
適当な手段を幾つか列挙するに留まっている。これは要するに、
兼務の方策を何も考えていないのと同じではないのか。
そういう状況下にあって両者を兼務することが可能だと言い切れる根拠は
この会見中、田中からは何一つ示されていない

更にもう一つ。田中はこの会見で次のようなことも述べている。
今度は毎日新聞記事からの引用である。

田中知事:改めて新党代表との兼務を表明 /長野(毎日新聞)

<引用開始>

(前段略)

 県議など一部から兼務を疑問視する声が出ていることについては「知事室にいなければ職務が滞るということであれば、職員は『指示待ち症候群』になる」などと語り、その上で「県の改革は永田町や霞が関も注目している。『県民益』という点で手を携えて頂きたい」と話した。【森有正】

毎日新聞 2005年9月14日


<引用ここまで。なお、記事中の太字部分は引用者による>

長野県知事たる田中がその重大な職務を
軽んじようとしていることが問題
なのであり、
だからこそ兼務に対する疑問が起きているというのに、
それを県職員の行動意識の話にすり替えてしまう問題意識のなさ
いったいどこから来ているものなのか。

別に全ての出張や外遊まで否定しているわけでもなく、
本当に必要なものならば、それはそれですれば良いが、
それ以外の状況でこの種の特殊なマルチタスクをこなすのは
明らかに無理があるだろうという疑問には、何ら答を出していない


どちらの仕事にしたって、レギュラーなルーティンワークだけを
粛々とこなしていればいいというものではない

例えば長野県知事であれば、県内で大きな事件や災害が起きた場合、
あるいは新党日本の代表であれば、先日のような選挙などの場合、
それぞれ一方の仕事を優先しなければならない状況が出てこよう
その際、もう一方の職務とどうやって折り合いをつけるのか
ということこそが最大の課題
なのであって、
その点には何も触れずにやり過ごそうとする田中の逃げの態度こそが
問題視されているということを、もっと田中は理解すべきだ。

ともかく、だ。
曖昧模糊とした態度で県知事と公党の代表職を兼ねようとして
なおかつその公党で起きた議員の移籍問題に無関心を装い
知事として今後の仕事の仕方を訊かれてもわからないで通そうとする
こうした態度が、果たして許容されるようなものなのか
今回のような答弁でやり過ごそうとしたところで、
却って兼務への疑問が増えるだけのような気がするのだが。
posted by KAZZ at 00:33 | 島根 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 田中康夫長野県政
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